頭が海に、足が空に。
その足があるすぐ先。
ひっくり返った天馬の蹄の先。
さっきまでシルキスの身体があったところを、超巨大な大砲弾が飛び過ぎていった。
間一髪。
そして、続けて可動砲群からの砲撃の網。
シルキスの頭がまた回転し、
キーヤは回転をさせたまま、
天馬を波すれすれに走らせて網の隙間を縫う。
ズドドドドドドドドドッ。
天馬がいた場所を追いかけるようにして、海に叩き込まれていく砲弾達。
シルキスは、辛うじて自分達が錐揉みしながら幽霊船から離れていこうとしているのが分かった。
最初にひっくり返ったのは、
相手の主砲の第一撃を避けると同時に、天馬の頭を幽霊船と逆にむける為。
そこからの錐揉みは、
大砲群の射線にまっすぐ乗らないため。


