「攻撃!?」
キーヤの目では、竜巻のむこうの幽霊船に動きは見えない。
が、シルキスの言葉を信じて後退する。
暴風に負けないように大声で、シルキス。
「殺気だ!!やたらたくさん!!」
その言葉と同時、幽霊船の甲板と船体側面で開く窓、窓、窓。
全部が大砲の射出窓。
正面甲板では3本一組の大型砲身が、
前から3列せり上がり、
側面では360度、空も海も海中も射界におさめる可動砲群が顔を出す。
「避けろっ!」
「くだらん指示を出す間があったら、俺にしがみつけっ!」
逆に指示を返され、シルキスはキーヤの細身にしがみついた。
とたん、天地が逆になる。


