魔王さま100分の2


「攻撃!?」

キーヤの目では、竜巻のむこうの幽霊船に動きは見えない。

が、シルキスの言葉を信じて後退する。
暴風に負けないように大声で、シルキス。

「殺気だ!!やたらたくさん!!」

その言葉と同時、幽霊船の甲板と船体側面で開く窓、窓、窓。

全部が大砲の射出窓。

正面甲板では3本一組の大型砲身が、
前から3列せり上がり、

側面では360度、空も海も海中も射界におさめる可動砲群が顔を出す。

「避けろっ!」

「くだらん指示を出す間があったら、俺にしがみつけっ!」

逆に指示を返され、シルキスはキーヤの細身にしがみついた。

とたん、天地が逆になる。