また、海面で誘導してくれる人魚達の列。
キーヤにとっては二度目の道。
慣れたものとは言わないが、初見で飛ぶよりはかなり楽。
魔族便の騎手で鍛えられた頭と身体は、一度目で得た体験を忘れない。
安定したタイミングと高度で波と風をかわしていく。
「さすがだな」
「当然だ。あの竜巻を抜けたら船上に出るぞ」
キーヤは、先と同じ回避コースをとる。
ここからは竜巻の表面をすべるように飛んで、幽霊船の船首方向へ。
イメージどおりの軌道を描くキーヤ。
幽霊船は、変わらず反応なし。
と、見ていたらシルキスが後ろで叫んだ。
「攻撃、来るぞっ!!」


