「行きます」 シルキスは、天馬の手綱を取る。 キーヤほどではないが、シルキスも天馬を駆れる。 そして、正確にはキーヤの足元にも及ばないので、キーヤが横からその手綱を奪った。 「俺がもう一度行く、おまえは後ろに乗れ」 「二人乗りでは、馬の脚が鈍るだろう」 「おまえが一人で乗るよりはマシだ」 シルキスの前を塞ぐキーヤ。 素早く、先に天馬に跨ってしまう。 シルキスは、苦笑してキーヤの後ろに乗った。 「落ちるなよ」 「落とすなよ」 それが出発の合図。 天馬は、再び幽霊船にむかって飛ぶ。