魔王さま100分の2


「行きます」

シルキスは、天馬の手綱を取る。

キーヤほどではないが、シルキスも天馬を駆れる。

そして、正確にはキーヤの足元にも及ばないので、キーヤが横からその手綱を奪った。

「俺がもう一度行く、おまえは後ろに乗れ」
「二人乗りでは、馬の脚が鈍るだろう」

「おまえが一人で乗るよりはマシだ」

シルキスの前を塞ぐキーヤ。
素早く、先に天馬に跨ってしまう。

シルキスは、苦笑してキーヤの後ろに乗った。

「落ちるなよ」
「落とすなよ」

それが出発の合図。
天馬は、再び幽霊船にむかって飛ぶ。