「むう」 「待っていてくれたら、また新しいシャチを買ってあげますから」 「大きいやつだぞ」 「大きいやつですね」 「ふたりで乗れるやつだぞ、特大だぞ」 「そんなのありましたっけ?」 「あった」 「では、それを」 シルキスは約束して、 魔王さまにヘナのローブをつかませる。 魔王さまに、 ここが一番安全ですという、 ヘナに、 魔王さまをよろしくという、メッセージ。 ヘナは、ローブに隠れた顔で頷いた。