魔王さま100分の2


「むう」

「待っていてくれたら、また新しいシャチを買ってあげますから」

「大きいやつだぞ」
「大きいやつですね」

「ふたりで乗れるやつだぞ、特大だぞ」
「そんなのありましたっけ?」

「あった」
「では、それを」

シルキスは約束して、
魔王さまにヘナのローブをつかませる。

魔王さまに、
ここが一番安全ですという、

ヘナに、
魔王さまをよろしくという、メッセージ。

ヘナは、ローブに隠れた顔で頷いた。