シルキスは、魔王さまのでこをの手を少しずらす。
互いに顔がよく見えるようにして。
「勇者の感覚で言いますが、このサーペントの身体は魔王さまが思うほど丈夫ではありません。弾を受ければ穴が空き、血を流して、苦痛の叫びをあげるでしょう」
「そ、そうなのか?」
とたん、不安そうになる魔王さま。
逆に、シルキスは優しい笑顔をつくって言う。
「ええ、穴を開けられるのはとても痛いですよ。かわいそうですよ」
「む、むううう」
魔王さまは、痛みを想像してうめく。
「きゅー」
頭の上の会話に、泣き声で混じるサーペント。


