魔王さま100分の2


シルキスは、魔王さまのでこをの手を少しずらす。

互いに顔がよく見えるようにして。

「勇者の感覚で言いますが、このサーペントの身体は魔王さまが思うほど丈夫ではありません。弾を受ければ穴が空き、血を流して、苦痛の叫びをあげるでしょう」

「そ、そうなのか?」

とたん、不安そうになる魔王さま。
逆に、シルキスは優しい笑顔をつくって言う。

「ええ、穴を開けられるのはとても痛いですよ。かわいそうですよ」

「む、むううう」

魔王さまは、痛みを想像してうめく。

「きゅー」

頭の上の会話に、泣き声で混じるサーペント。