「……どうです?」
と、ヘナがキーヤに目をあわせたのは、キーヤが全開した後。
「ああ、力が戻った。天馬のほうも完全だ。助かった……」
キーヤが自分の身に起きた事に
とまどいながら礼を言うと、
ヘナは、ならば良しと、風の防壁を張り続けるエルフに意識を向けなおす。
あとは無言。
そちらに集中。
それでもヘナの傍にいるキーヤは、ヘナから漏れ出してくる回復力を感じる。
おそらくキーヤと天馬に働かせた力は、防壁を守るエルフに注いでいるもののおまけ。
湯を沸かす火が、鍋以外の周り空気を一緒に温めてしまうイメージ。


