ヘナは特に何かをするでもなく、
天馬にそのまま近寄らせた。
ヘナの傍に立つ天馬。
それだけで天馬の疲労は癒え、全回復してしまう。
ぶろろろっ。
天馬は嬉しそうに首を上下にふった。
「さすがヘナだな」
自分がしたことのように鼻を高くする、魔王さま。
「普通に回復させるには、やはりパンチはいらないようですね……」
昨日もらったばかりの痛いトラウマを噛みしめて、シルキス。
人間の治療士達が見たら、反則としか表現しようない天使の力。
へナは、さらに何でもないようにキーヤを呼んだ。
「……キーヤさんも、どうぞ傍に」
「あ、ああ」
キーヤも天馬に並んでへナに近づくと、瞬時に疲労が消える。


