魔王さま100分の2


ヘナは特に何かをするでもなく、
天馬にそのまま近寄らせた。

ヘナの傍に立つ天馬。

それだけで天馬の疲労は癒え、全回復してしまう。

ぶろろろっ。
天馬は嬉しそうに首を上下にふった。

「さすがヘナだな」

自分がしたことのように鼻を高くする、魔王さま。

「普通に回復させるには、やはりパンチはいらないようですね……」

昨日もらったばかりの痛いトラウマを噛みしめて、シルキス。

人間の治療士達が見たら、反則としか表現しようない天使の力。

へナは、さらに何でもないようにキーヤを呼んだ。

「……キーヤさんも、どうぞ傍に」
「あ、ああ」

キーヤも天馬に並んでへナに近づくと、瞬時に疲労が消える。