魔王さま100分の2


道具は全て急ぎで用意した戦艦からの持ち出し品であるが、しっかり防護されたカーペット上は快適。

なによりも、嵐にもびくともせず頭を高くあげ、高波から全員を守っているサーペントの巨体。

「きゅー」

愛らしく鳴いて、魔王さまのお褒めに応えている。

「キーヤの出発前にこいつが来ていたら、おまえも楽がさせられたのにな」

と、魔王さまが顔をむけて言う相手は、キーヤ及び天馬。

天馬は、キーヤと違い不満な様子など一切なく、やはり愛らしい鳴き声で応える。

「うん、うん、おまえも可愛いなあ」

魔王さまは、天馬の額もなでる。

そこまで移動させるのは、抱っこしてるシルキスの仕事。

「疲れたろう、ヘナの傍にいって元気にしてもらえ」

魔王さまが天馬に言うと、天馬は素直にいう事を聞いてヘナによる。