道具は全て急ぎで用意した戦艦からの持ち出し品であるが、しっかり防護されたカーペット上は快適。
なによりも、嵐にもびくともせず頭を高くあげ、高波から全員を守っているサーペントの巨体。
「きゅー」
愛らしく鳴いて、魔王さまのお褒めに応えている。
「キーヤの出発前にこいつが来ていたら、おまえも楽がさせられたのにな」
と、魔王さまが顔をむけて言う相手は、キーヤ及び天馬。
天馬は、キーヤと違い不満な様子など一切なく、やはり愛らしい鳴き声で応える。
「うん、うん、おまえも可愛いなあ」
魔王さまは、天馬の額もなでる。
そこまで移動させるのは、抱っこしてるシルキスの仕事。
「疲れたろう、ヘナの傍にいって元気にしてもらえ」
魔王さまが天馬に言うと、天馬は素直にいう事を聞いてヘナによる。


