魔王さま100分の2


「キーヤが天馬で出たすぐ後にな、こいつがついて来ているのが分かったのだ。愛いやつめ」

魔王さまが、海に落ちないようにシルキスに抱えられながら、忠臣サーペントの額をなでる。

「それで、魔王さまがこいつで海に出ると駄々をこねてな。できる限りの防護をはって出てきた」

シルキスが後に続けて説明する。

サーペントの頭には、すべり止め目的で敷かれたカーペット。

そこに巨鳥を操っていたエルフが乗り合わせて、風の防護壁。

さらに、ヘナがそのエルフを助けて常時魔力回復。

ほか、数名の魔族が雨除けの簡易アイテムを持って、カーペットの隅を固めている。

全員が浮き袋つきの上着を着込み、魔王さまは特に念入りにもこもこにされていた。