「キーヤが天馬で出たすぐ後にな、こいつがついて来ているのが分かったのだ。愛いやつめ」
魔王さまが、海に落ちないようにシルキスに抱えられながら、忠臣サーペントの額をなでる。
「それで、魔王さまがこいつで海に出ると駄々をこねてな。できる限りの防護をはって出てきた」
シルキスが後に続けて説明する。
サーペントの頭には、すべり止め目的で敷かれたカーペット。
そこに巨鳥を操っていたエルフが乗り合わせて、風の防護壁。
さらに、ヘナがそのエルフを助けて常時魔力回復。
ほか、数名の魔族が雨除けの簡易アイテムを持って、カーペットの隅を固めている。
全員が浮き袋つきの上着を着込み、魔王さまは特に念入りにもこもこにされていた。


