「……で、なにをふて腐れてるんだ?」
「別に」
幽霊船から戻ってキーヤは、
仲間に暖かく迎えられた。
それは良いし、
自分も生還したことによって役に立てた。
キーヤが持ち帰った情報を、
どこまで分かっているかは別にして、
魔王さまは、ふむふむと頷いて聞きいてくれ、
シルキスは、一語逃さず次の段階のために頭に入れている。
が、腑に落ちない。
キーヤが苦労して渡った嵐の海。
その只中。
幽霊船とキーヤが発った戦艦のちょうど間、
暴風と豪雨と高波がもみ合う、天馬と共に限界に挑んだ場所。
迎えにきた仲間達は、
その場所で、
シーサペントの巨大な頭の上、
きっちり防護結界を作って余裕で立っていた。


