いずれにしても油断はしない。
空回りならそれでよし。
独り慎重に身構えるキーヤを笑うものは、ここにはいない。
仲間のうちにもいない。
キーヤは、明かりの後ろに見える船の外の嵐に目をむける。
この感じだと、幽霊船上の自分は外からは見えないだろう。
自分の非常時に備えて、いつでも強行突入する構えをつくっているに違いない。
成果を持って帰るために、仲間の安全を保つために、くだらない理由で倒れるわけにはいかない。
キーヤは、ゆっくりと手近な発光体に近づいた。
天馬は、後ろを歩調をあわせてついてくる。
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