が、これで幽霊船まで行ける。
キーヤは自信を持つ。
暴風も豪雨も荒波も、自分達を捕らえることはできない。
キーヤは天馬と共にさらに駆けた。
休みなく風雨と戦い、休みなく勝利していく。
最後の障害。
海水を巻き上げて立ちふさがる竜巻を、幽霊船の全周をまわって隙を探し、気力と技術を振り絞って擦り抜けた。
すぐ目の前に幽霊船の船首。
巨大なカトラスを思わせる突撃棒と、先端に飾られていた半壊した石像が出迎える。
「よしっ」
迷わず、飛び込むキーヤ。
何か薄い膜を突き破る感覚。
石像を越すとぴたりと嵐がやんだ。


