「魔王さま、お菓子もらえてよかったですね」

「そうだな。こうしていると、食べるか寝るかしかすることがないからな」

魔王さま流の全幅の信頼、と思えばいいのだろうか。

自分はシルキスの膝で暇を潰していればいいという返事。

「では、もうしばらく退屈していてください」

「うむ」

魔王さまは、とりあえず今は食べるのに集中。

幽霊船が見えるまでもう少し。

先頭のキーヤが、ほんのわずか、海の風から嵐の気配を感じ初めていた。



──魔王さまと偵察隊 終わり