魔王さまほどではないが、
ヘナも一度眠りにつくと深い。

魔王さまと変わらない小さな身体で、あれだけ大出力の回復魔法を連発する力を、眠りで溜め込んでいるのだろうか。

逆に、ヘナと変わらない小さな魔王さまは、そんなに菓子を食べてどこに力を貯めているのだろう?

シルキスは、ハムスター状態で再び菓子を食べ始める魔王さまを見下ろす。

「欲しいのか?」
「いりません」

「そうか」

魔王さまは、シルキスの返事に安心して、菓子のひとり占めを楽しむ。