今ごろ、この船の戦力を含めた報告を伝えているだろう。 なるべく温和な伝えかたをしてくれてるといいが……。 また世界のバランスに石をなげちゃったかなとシルキス。 で、その石の大元の魔王さまはというと、 「そうだ、私が魔王だぞ。崇めたい者は、好きなだけ崇めるといい」 皆に歓迎されてご満悦。 船員のひとりひとりに挨拶されに、自分から甲板の端から端まで歩きまわる。 あ、今、菓子っぽいものをもらった。 すごく喜ぶ。 平民に愛される王様の図ではない、 旅先で遊んでもらっている子供そのものだ。