「では、シルキス殿と。ようこそ、私どもの船に」 こちらも笑顔。 ひげが揺れた。 そして、人間の魔法使い達にも、 「兵士諸君も歓迎する。よろしくな」 変わらぬ態度で声をかけた。 魔法使い達は、緊張した面持ちで礼をかえす。 魔族にまったく不慣れというわけではないが、魔族の本拠地のようなところに足を下ろしたのは初めての彼ら。 シルキスのように力を抜いて振舞える者はおらず、定型の挨拶をつまらずに声にするのがやっとだった。