シルキスが指したのは、騎手のエルフとシルキス達が乗っている荷台の間。 魔族便で様々な荷物を運ぶ巨鳥なので、弁当を入れるのに適したサイズの小物入れも備えている。 「あれか」 魔王さまは、風に逆らって箱に這いよる。 が、あと一歩。 びぃん。 四つん這いから片手を伸ばした姿勢で、腰から下が何かに引っぱられた。 「なんだっ?」 見ると、知らないうちに腰に巻かれた命綱。 荷台の中央部とがっちり繋がっていて、魔王さまの前進を邪魔している。 「むっ」 魔王さまは、怒った顔でシルキスを見る。