それもシルキスの手が抑える。 「かなり速度を出していますから、気をつけてくださいね」 魔王さまは、自分の髪を守るシルキスの手につかまって、周りを見る。 隣には、まだ寝ているヘナ。 その向こうに、風に乗って羽ばたく巨鳥の翼。 そして海。 大小の波が生き物のように列をつくってきらめき、どこまでも伸びていく。 さらに首をまわすと、天馬を操るキーヤが前方に。 4つの蹄から光の筋を生み出しつつ、空を駆けている。