「着てもいませんし、持ってきてもいませんが」 「なんだとっ」 信じられないという顔をする魔王さま。 「海まで何をしに来たっ。たるんでいるぞ、シルキス」 これ以上なく真剣にシルキスを怒る。 「仕方ない、なければ買ってやる」 「買ってやるって?」 魔王さまは、シルキスの肩の上で周囲を見回す。 「あそこだ」 大型の売店を見つけ、指差した。 「いくぞっ」 魔王さまの号令。 逆らうと、さらに怒るか拗ねるかするので、シルキスは魔王さまを乗せたまま歩き出す。