魔王さま100分の2


「無事に連れて返ってきたのだろうな」
「ああ、無事すぎて二人とも夢の中だ」

シルキスは、キーヤが背負う銃と双眼鏡の装備を見て答えた。

野宿しながら一晩中、領地の周囲を見張っていたのは言わなくても分かる。

「なら、いい」

キーヤは無愛想に会話を切ると、
天馬の頬を撫でた。

乗って帰るか?
という無言の確認である。

シルキスは小さく首を振って、
砂浜に歩を進めた。

天馬では、この人数は運べない。
帰りの足も、往きで乗ってきた小船を使う。