少々揺らしても、寝息をまったく乱さないほどの深い眠り。

冬眠癖のある魔王さまはもちろん、ヘナも昼ごろまで起きそうにない。

「幽霊船のことは、こっちが引き受けた。最高に上手くいけば、顔をあわすのはこれが最後だ」

「最高にってところが気になるわね。次に顔をあわせたら、状況は悪いってことじゃない」

「はは、アイオネは賢いから挨拶も楽で助かる」

「心から、最高に上手くいくように祈ってるわ」

アイオネは、シルキスの軽い口調にあわせて言った。