夜明け。
昇り始めた朝日が照らす領地の庭。

門のすぐ内側に立つシルキス。

右腕で、幸せ全開で眠る金の魔王さまを、
左腕で、穏やか静かに眠るヘナを、

それぞれ人形抱きにして、
アイオネと向かいあっていた。

「世話になったな」
「ええ、本当に」

答えるアイオネの腕には黒の魔王さま。
こちらも、アイオネに全身をまかせて眠っている。

深夜の長湯で、出てきたときにはくてくてになっていた三人。

あっという間に寝てしまい、今に至る。