「この石鹸は特に良い匂いがするな」

ヘナの身体にたっぷり泡を乗せて言う、金の魔王さま。

黒の魔王さまが、ヘナの頭をやはり泡だらけにして言う。

「アイオネが選んでくる石鹸だからね。今はこれが一番って、新しいのを持ってくるたびに言うよ」

「そうか、アイオネはいろいろ知っていそうだな」

「うん、いろいろ知ってるよ」

「むー、それなら外でシルキスとだけ話させているのはもったいないか」

「今からでも誘う?」