にへにへ~っと笑う魔王さま達。
泡だて、泡だて、へナを磨く。

「……はぅぅ」

こうなっては、逆らっても無駄だと諦めるヘナ。

身も心も翼も預けて、されるままになる。

「……後で魔王さまも洗いますからね」
「おう、順番だ」

金の魔王さまは、上機嫌で答える。

以前は必要ないとあまりしなかった身洗いだが、シルキスと一緒に暮らすようになってからは、こまめにするようになった。

風呂上りに石鹸の良い香りを身につけていると、シルキスが喜ぶのを知ったからだ。