「よし、ヘナ、洗いっこしよう」

魔王さまは一方的に話題を変えて、ヘナの手をとり、湯船に外に連れ出す。

「ヘナは私と違って汚れてしまうからな。よーく洗ってやるぞ」

「あ、私もヘナを洗いたいっ」

黒の魔王さまも続いて湯船を出る。

「……私は自分で」

「だめだめ」
「だめだめ」

魔王さま達は、ヘナを両側から捕まえる。

「石鹸は?」
「あそこ」

「髪用のは?」
「ここ」

普段、アイオネが黒の魔王さまを洗うために置いてあるもの。

金と黒の魔王さまは、それぞれに石鹸をもった。