「シルキスはいつも私優先だろ。たまには自分がやりたいことをやればいい」 魔王さまは、いーっと笑う。 「……そのせいで死んでも?」 「その時は泣くくらいするかな?」 シルキスに泣いているところを見られるのは嫌だが、シルキスが死んでしまった後ならどれだけ泣いてやっても問題ない。 金の魔王さまは、ヘナとはずれた考えをする。 「でも、シルキスは私達のためにアイオネと戦う段取りを踏んだのじゃないの?」 黒の魔王さまが、会話にまじって言った。 「それも本当だとは思う」 「嘘もあると?」