「どういう仕組みなの?」 魔王さまは、ヘナと頭と輪の間に手の平を差し込む。 その手を左右に振って確かめるが、支柱や糸はもちろん、何かを支えている特別な力とかも感じない。 「……仕組は、自分でも分かりません」 ヘナは、自分の頭の上でひらひらする魔王さまの手を上目で眺める。 「……ただ、大きな力を使うときは、こうしたほうが安定します」 「本気の印なんだ」 こうしているうちに、魔王さまの手にあった追加の輪が消える。 ヘナの頭の上の輪は、美しく輝いたまま健在だ。