魔王さま100分の2


「背中にくっついてるところもさわっていい?」

「……付け根ですね。いいですよ」

ヘナが気さくに許可したので、黒の魔王さまはシャチから離れて、翼の根元にまで手をすべらせる。

「……あっ」

途中、くすぐったそうにするヘナ。

黒の魔王さまの手指が翼の生え際にかかると、さらに声をあげて身をひねる。

「……あふっ」
「くすぐったいの?」

「……はい、自分では触れないところなので」

ヘナは、ひねった身体を戻して、
黒の魔王さまにもう一度背中をむける。

さわり続けていいという、サインだ。