「ねえ、ヘナ、背中を見てもいい?」 「……かまいませんが?」 「じゃ、背中をこっちに向けてみて」 「……こうですか?」 ヘナはくるりと向きを変え、黒の魔王さまに背中を見せた。 白い背中に生える白い翼が、黒の魔王さまの目の前にくる。 「さわってもいい?」 「……どうぞ」 ヘナは、黒の魔王さまが自分の何に興味を持ったのか分かったので、背の翼を軽く広げて触りやすいようにした。 「さわさわだ」 へナの翼に触れた、黒の魔王さまの第一感想。