「一緒に暮らしているのでしょう?」
「ああ、塔にいたときは限られた日の昼間だけだったが、外に出てからは昼も夜も毎日一緒だ」
「それは、朝起きてから夜寝るまで?」
「朝起きて夜寝るまで、そして、夜寝てから朝起きるまでも一緒だ」
「一緒の布団で寝るってこと?」
「そうだ。毎晩、楽しくて暖かいぞ」
「それは、いいなあ」
「とてもいいぞ」
「布団の中では、ずっとくっついて?」
「ああ、こうしてな」
金の魔王さまは、シャチに腕をまわす。
「ほうほう」
「ふふふ」
黒の魔王さまが、つつつっと湯の中を歩いて金の魔王さまに近づく。


