「アイオネか、人間の貴族も良い知識を持っているではないか。褒めてやろう」 金の魔王さまは、シャチの頭を両手で掴んでひっくり返す。 「アイオネも、外なんか気にしないで一緒に入ればいいのに」 黒の魔王さまは、湯船に肘をかけ、外につながる扉を見る。 「ふふふっ、男に肌を覗かれるのが怖いのだろう。初心な娘め」 金の魔王さまは、ひっくり返したシャチを湯に半分沈める。 湯の中で放すと、シャチは勢いよくジャンプ。 水面を跳ねる。 「アイオネは、そういうところが可愛いのだけどね」