シルキスは、腕を組んで首を傾げた。
「でも、そういう事を訊きたかったのだろう?」
「そんなんだけど、言われると違うような……」
アイオネは、噴いた口元を手でぬぐう。
シルキスは、傾げた首を戻す。
「住んでいる場所とか、手助けしてくれる仲間のことは、訊かれても答えられないから、こういう答え方しかできないぞ」
「要するに、出てくる話はノロケ話だけということね?」
「うちの魔王さまには、新婚云々言ったことは秘密な。大喜びされ過ぎるのが怖い」
「うちの魔王さまにも言わないでね。こっちも大変だから」
互いに、ここだけの話だと口止めし合う。


