魔王さま100分の2


「この剣、他にもあるの?」

「今のところ、2本目があるという情報は入っていない」

答えるシルキスは、アイオネに手を伸ばした。
そろそろ返してくれというポーズだ。

アイオネは、返す前に訊く。

「これは壊せないの?」

「僕の力では無理だった。ヘナにも浄化っぽいことを頼んだけど効果はなかった」

「捨てるとか、封印するとかは?」

「それも考えたけど、魔王さまに、だったらずっと持っていろと命令されてね」

シルキスは、やれやれと顔をつくって言った。

金の魔王さまは、殺される時がきたらシルキスの手でと考えている。

「そう、じゃあ、絶対に手放さないでよね」

アイオネは願って、シルキスに魔王殺しを返した。