「それは魔王殺し。魔王さまの魂まで砕く剣」 シルキスは、つぶやく。 「どこで、こんなものをっ!?」 アイオネは、魔王殺しをシルキスに向けて声を荒げた。 領地内にいれば魔王さまは安全だという前提が崩れたこの瞬間。 今のアイオネの内外に流れる汗を、シルキスは誰よりも知っている。 そして、シルキスだけが知っていたものを感じられる者が、いま目の間に現れた。 シルキスは魔王殺しに関わる顛末を、自分が魔王さまを連れ出したところまで含めて、アイオネに話す。