魔王さま100分の2


「それは魔王殺し。魔王さまの魂まで砕く剣」

シルキスは、つぶやく。

「どこで、こんなものをっ!?」

アイオネは、魔王殺しをシルキスに向けて声を荒げた。

領地内にいれば魔王さまは安全だという前提が崩れたこの瞬間。

今のアイオネの内外に流れる汗を、シルキスは誰よりも知っている。

そして、シルキスだけが知っていたものを感じられる者が、いま目の間に現れた。

シルキスは魔王殺しに関わる顛末を、自分が魔王さまを連れ出したところまで含めて、アイオネに話す。