結論。
十分な経験を積んだ上位勇者と戦いになったら、やはり敵わない。
逃げるが勝ち。
アイオネとなんとか打ち合えたのは、
アイオネが言ったとおり、
こんな観光地で
3年もくすぶっていたブランクと、
シルキスがここ一年、詰め込まれた地獄っぽい訓練と天国に逝けそうだった実戦のおかげだ。
「ありがとう。ためになった」
シルキスは、冷静に自分を品定めて礼を言った。
アイオネは面白くなさそうに、その礼を拒否した。
「礼なんていらないわ。次に機会があったら、もっと簡単に分かるように叩きふせてあげる」
自分のランクが疑われたのが悔しいらしい。


