イアリミアは、その最たる都市。 だからこそ、シルキスは幽霊船とイアリミアの魔王領の話を聞いたとき、潜入という手段を選択肢にいれた。 もしイアリミアがアイオネの頭を痛めない都市ならば、シルキスとの出会い自体なかっただろう。 シルキスはそこまで思って、何食わぬ顔で続けた。 「じゃあ、軍での実戦経験は?」 「むっ」 「なしか?」 「……」 ないようだ。 アイオネの反応がそう答える。 「そうかあ」 シルキスは、考えをまとめる。