魔王さま100分の2


イアリミアは、その最たる都市。

だからこそ、シルキスは幽霊船とイアリミアの魔王領の話を聞いたとき、潜入という手段を選択肢にいれた。

もしイアリミアがアイオネの頭を痛めない都市ならば、シルキスとの出会い自体なかっただろう。

シルキスはそこまで思って、何食わぬ顔で続けた。

「じゃあ、軍での実戦経験は?」
「むっ」

「なしか?」
「……」

ないようだ。
アイオネの反応がそう答える。

「そうかあ」

シルキスは、考えをまとめる。