アイオネが、どのくらい魔王さまを気にかけているかを知りたかったのも事実だが、 同時、自分が王国の勇者にどれくらい戦えるのかもそれ以上に知りたかった。 アイオネは、訊く。 「そっちの小さい魔王さまの為?」 「うん」 「アホね」 「ああ、うちの魔王さまに散々言われてる」 「あの天使も怒らせてるし」 「うっ、ヘナがあそこまで怒るとは思わなかった。普段は物静かを通り越して、無口に近いから」 「思いなさいよ。ここに乗り込まれる前に」 アイオネは、きつく言った。