「そんな顔をしてるか?」 「してる。偉そうに」 「偉そうと言われたのは初めてだな」 シルキスは、くくっと笑った。 「笑うところなの?」 「いや、良かったなと思って」 「ふんっ」 アイオネは、手元に何か投げつけるものがないか探したが、なかった。 あったら、ふざけた横顔に全力でぶつけてやるところだったのに。