領地を囲む壁にダイレクトでぶつかり、びたーっと磔になる。
シルキスは、そこで息絶えると、ゆっくり前のめりにはがれて落ちた。
「って、死んだ!?」
アイオネが叫ぶ。
離れていても伝わる死の気配。
ヘナは拳をといて、自信満々に言った。
「大丈夫です。完璧に決まりました」
「完璧にって、ちょっと」
「まあ、見ていろ」
金の魔王さまが、アイオネにシルキスの観察をうながす。
アイオネは、意味が分からないまま様子をみる。
すると、シルキスの死体が大きく跳ねた。
立ち上がり、目を見開き、吐血し、呼吸再開。
「蘇生成功、まもなく全回復します」
ヘナは、自分の技に満足して言った。


