王国で育った自分とは、明らかに詰まっている中身が違う。

自分が下だとはさらさら思わないが、興味は沸いた。

それは好意ではなく、あくまで侵入者として知っておく必要があるからだ。

と、しておく。

「どうしました?」

険が抜けきった顔で訊ねるシルキス。

「なんでもありません、魔王さまの容態が気になりますので失礼」

アイオネは、素早くシルキスの横を抜け、自分の後ろに置いた。