「はい」

ヘナは、シルキスの手をとって立ち上がる。

「邪魔しそうなのは僕が捕まえておくから、頼む」

シルキスは、金の魔王さまの足が地面に届かないようにして言った。

「邪魔しそうとは、私のことか?」
「自覚してもらえると助かります」

魔王さまは、シルキスの顎にネコ状態からネコ手でジャブ。

シルキスは、首振りで器用にそれをかわす。

目のくらみはほぼ治まったと、シルキスはそれで自分の状態を把握した。

その目で、シルキスは、門を閉めて戻ってくるアイオネを見た。

「アイオネさんも、それでいいですよね?」

「やむを得ません。魔王さまを診ていただけるのなら、こちらからお願いします」

アイオネは、距離を置くための敬語でシルキスに答えた。

答えながら、

決着がついたと思ったばかりなのに、もう仕切り役に戻っているシルキスに驚きと呆れ。