魔王さま100分の2


門の外、木々の枝葉の中。

それほど太くない枝を足場にして、
身を潜めていたキーヤ。

門が閉じるのを見て、
暗視の魔法がかかったゴーグルを外す。

背中には狙撃用の精密銃。
アイオネに感じさせた針の気配はこれ。

ヘナには、遠くから静かに見守るだけにするように、拷問パンチモードで頼まれたが、

ヘナにアイオネの手が伸びるのを見て、銃口をむけた。

その瞬間、手で射線を遮えぎるとは恐ろしい王国の勇者の力。

シルキスが同じ感覚を身につけるまでは、キーヤが付き合わされた特訓で二桁を越える弾丸が必要だった。

「シルキスのやつ、あんなのに並ぼうとしているのか」

キーヤはつぶやき、
木の下の天馬が大人しくしているのを見ると、

幹に背をつけ、
自分も少し休むことにした。