魔王さま100分の2


天使の笑顔。
魅了はされないが、悪意も全く感じない。

とにかく外に出すのが安全か?

それともこのまま穏便に面会させて、
厄介者を引き取ってもらうのが面倒ないか?

アイオネは迷う。

と今度は、アイオネを見ているヘナを、背後から小さな影が覆いかぶさった。

「ヘナ~、もう迎えにきたのか?」

金の魔王さまが、大歓迎の意思を全身で示して、ヘナの背中に飛び乗る。

「ま、魔王さま、むぎゅっ」

魔王さまと同サイズのへナは、その場でうつぶせに押し倒された。

「ふふふ、ヘナはか弱いなあ」

金の魔王さまは言って、ヘナの翼を両手でもふもふする。

「魔王さま、いきなりはだめです、ひあっ」

くすぐったいらしい。

アイオネは後手後手にまわる事態にこめかみを押さえ、門を閉めた。