魔王さま100分の2


本日、3人目の侵入者。

それは待てと、アイオネはヘナに手を伸ばし、門外に背をむけた。

とたん、門の外、木々が茂る奥から針で突かれるような気配が首筋に刺さる。

アイオネは、ヘナに伸ばした手を急ターンさせて振りかえった。

本能で気配を手で遮る。

「……」

軋む、歪んだ甲冑。

気配は、アイオネが反応すると直ちに消えた。

その間にヘナは、
魔王さま達のもとへ進んでいく。

「門の外に誰がいるのっ?」

アイオネは鋭く訊いた。

ヘナは、魔王領に入りきってしまってから足をとめた。

笑顔でアイオネを見て、すらすらと答える。

「キーヤさんがひとり。ここから離れたところで待ってもらいました。そのほうが信用されやすいと思いまして」