本日、3人目の侵入者。
それは待てと、アイオネはヘナに手を伸ばし、門外に背をむけた。
とたん、門の外、木々が茂る奥から針で突かれるような気配が首筋に刺さる。
アイオネは、ヘナに伸ばした手を急ターンさせて振りかえった。
本能で気配を手で遮る。
「……」
軋む、歪んだ甲冑。
気配は、アイオネが反応すると直ちに消えた。
その間にヘナは、
魔王さま達のもとへ進んでいく。
「門の外に誰がいるのっ?」
アイオネは鋭く訊いた。
ヘナは、魔王領に入りきってしまってから足をとめた。
笑顔でアイオネを見て、すらすらと答える。
「キーヤさんがひとり。ここから離れたところで待ってもらいました。そのほうが信用されやすいと思いまして」


