魔王さま100分の2


「いずれにしても大変ご迷惑をおけしました。謝罪いたします」

ヘナは立ち上がり、輪っかを乗せた頭をペコリと下げた。

「たしかに、これ以上ない大迷惑だったわ」

言いつつ、
アイオネは、ヘナが頭を下げている間に門外の気配をさぐる。

姿が見えるのは、目の前のヘナだけ。
感じる気配も……、ヘナだけであった。

ヘナは頭をあげると言う。

「私は、魔王さまとシルキスさまを迎えにまいりました。お連れしてもよろしいでしょうか?」

アイオネは、ヘナが頭をあげる前に目を戻していた。

答える。

「連れていってくれるなら、今すぐお願い」
「それでは、入らせていただきますね」

ヘナは、するっと門の内側に身を入れた。