シルキスの撒き散らす鮮血の量は、
見るからに危険、
アイオネもダメージを受けているのは、
甲冑越しで幾分ましかと思いきや、
凹んではいけない場所が、
凹んではいけない深さで谷を作っている。
そして、さらに迫っている危険は
4人もハシゴのてっぺんに乗って暴れているので、
どちらかの勇者が派手に殴られるたびに、ぐらつくようになってきた。
「しかたない、おまえはそっちだ」
「分かった。じゃ、下でね」
魔王さま達はひとつ作戦を決め、
頷きあった。
金の魔王さまは、
手近なアイオネに抱きつき、
黒の魔王さまも、
すぐ傍のシルキスに抱きついて、
一緒に飛び降りた。


