魔王さま100分の2


「おまえ達、ちょっと落ち着けっ」
「うわっ」

シルキスとアイオネが、
魔王さま達のもとに着いたのは全く同時。

が、不幸にも、

金の魔王さまの側にアイオネが、
黒の魔王さまの側にはシルキスが立つ。

ふたりの勇者は、
自分の魔王さまから相手の勇者を遠ざけ、

自分の手で保護する為、
狭い足場でばかすか殴りあう。

「これは、まずいな」
「まずいね」

拳と魔王殺しが飛び交う間で、顔をよせあう魔王さま達。