魔王さま100分の2


「ちっ」

そして、アイオネもまたシルキスとの戦いに舌打ちしていた。

吹き飛ばしたシルキスを狙って剣を正面に構えると、剣のあちこち欠けているが見える。

これまでの打ち合いのせいだ。

さらに、今の力まかせの一撃で剣の中ほどにひびが入った。

なんだあの黒剣は?
異常な強度。

だがアイオネの持つ剣も、
王国から携わった勇者軍の実戦仕様の剣だ。

外見は優雅な白刃でも、強度と切れ味は大陸最高峰。

アイオネの手にかかれば、刃こぼれなしで岩をも切れる。

それが、ぼろぼろ。