「ちっ」 そして、アイオネもまたシルキスとの戦いに舌打ちしていた。 吹き飛ばしたシルキスを狙って剣を正面に構えると、剣のあちこち欠けているが見える。 これまでの打ち合いのせいだ。 さらに、今の力まかせの一撃で剣の中ほどにひびが入った。 なんだあの黒剣は? 異常な強度。 だがアイオネの持つ剣も、 王国から携わった勇者軍の実戦仕様の剣だ。 外見は優雅な白刃でも、強度と切れ味は大陸最高峰。 アイオネの手にかかれば、刃こぼれなしで岩をも切れる。 それが、ぼろぼろ。