互いに大振りになった動作から、
アイオネは胴切りを、
シルキスはその胴切りにくる白銀の剣を意趣返しで打ち下ろしにいく。
「うおおおおっ」
叫んだのはアイオネ。
剣がぶつかった瞬間、衝撃はシルキスの腕だけなく背中にまで来た。
シルキスの身体が、魔王殺しを打ち下ろした姿勢のまま浮く。
アイオネは、そのままの勢いで剣を振りぬき、シルキスを凪ぎ飛ばした。
シルキスは真後ろに、身体5つ分は飛ばされる。
なんとか踏ん張って転倒はしなかったが、着地の瞬間、全身が骨まで痺れた。
これが王国の勇者の力か。
シルキスは、その脅威を身に刻む。


